【三橋貴明】日本を衰亡に追い込む暗黒循環

From 三橋貴明@ブログ

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 日本政府は、2016年度の国の税収見通しについて、
当初見積もりより1兆9000億円少ない55兆
7000億円程度に下方修正する方針を固めました。
 またぞろ、緊縮派が勢いづく「危険」があるので、本日、取り上げます。

『16年度税収、1.9兆円下振れ=7年ぶり前年割れ、赤字国債増発へ-政府
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120500815&g=eco

 政府は5日、2016年度の国の税収見通しを
当初見積もりより1兆9000億円少ない55兆
7000億円程度に下方修正する方針を固めた。

円高による法人税収の落ち込みが主因。
税収が前年度実績(15年度は56兆2854億円)を
下回るのはリーマン・ショックの影響を受けた09年度以来、7年ぶり。

 政府は近く編成する16年度第3次補正予算案で
赤字国債を追加発行し、財源不足を補うことを検討する。』

 本来、日本経済がデフレから脱却し、
名目GDPが堅調に成長しているならば、
円高による法人税減は十分に吸収できるはずなのです。

 たとえば、名目GDPが3%成長すれば、
税収弾性値を含むと、税収は少なくとも
3兆円~4兆円増えます。多少、法人税が
円高で減ったところで、減少分をカバーできるはずなのです。

 ちなみに、円高で法人税が減る理由は、もういいですね。
輸出量が変わらない前提で、円高が進行すると、
輸出企業がグローバル市場で稼いだドルやユーロ、
ポンドなどの「円換算」が減少し、収益を圧迫。
法人税収も減るのです。

 今回の税収減をもたらした主因は、日本のマスコミがいう
「円高による法人税減収」も確かにあります。とはいえ、
法人税減収をカバーしきれないほど、名目GDPの
伸びが弱いという点の方が、よほど重要な問題なのです。

 理由は、安倍政権が「デフレ脱却」を標榜し続けているためです。
デフレ脱却を目指す以上、名目GDPが「増える」(厳密には、
実質GDPが成長し、GDPデフレータがプラス化し、
名目GDPが増える)ことがゴールなのです。

 名目GDPが増えれば、政府は歳入増になります。

 税収減を「円高による法人税収の減少」で切り捨ててしまうと、
肝心の「名目GDPが十分に増えない」という点が
置き去りにされてしまうことになりかねません。

 そして、
「税収が減った! 建設国債に加えて、赤字国債まで増発だ! 
国の借金で破綻する! 増税だ! 政府支出削減だ! 緊縮財政万歳!」
 という主張が力を帯び、政権が再び緊縮に舵を切ると、
デフレギャップが拡大。デフレが深刻化し、
名目GDPがますます伸びなくなり、税収も減少。

 税収が減ると、
「税収が減った! 建設国債に加えて、赤字国債まで増発だ! 
国の借金で破綻する! 増税だ! 政府支出削減だ! 緊縮財政万歳!」
 という、日本衰亡化の暗黒循環に突入することになります。

 今にして思えば、消費税を増税し、デフレ脱却を
後回しにし、名目GDPの成長が不十分な状況で、
「円安」により法人税収が増加。歳入全体が
大きくなってしまった2013度から2015年度、
そして円高で歳入全体が減る2016年度という流れは「危険」でした。

 いや、過去形にはできないのですが、政府の歳入減は、
間違いなく財務省を中心とする緊縮財政派を勢いづかせ、
しかも国民に対し緊縮路線が説得力を持ってしまいます。

 これが、デフレ脱却を最優先し、名目GDPが成長し、
税収が増えているという状況であれば、多少の円高や
法人税減収は吸収でき、緊縮路線を抑え込めることが
できたわけです。返す返すも、残念です。

 とにもかくにも、政府の歳入減を理由に緊縮財政派が
勢いづくことだけは、何とか防がなければなりません。

そのためには、
「名目GDPと税収が相関関係が強い」
「増税したとしても、デフレ深刻化で名目GDPが減少すると、税収は減る」
 といった国民経済の基本を、日本国民一人一人が学ぶ必要があると思うのです。

 我が国を衰亡に追い込む、緊縮財政路線への回帰を許してはなりません。

—発行者より—

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