【三橋貴明】貨幣の定義を教えて下さい!

From 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

——————————————————-

(無料)
スパコンが軍事力を決める日がやってくる・・・?
https://youtu.be/Dv3ZblXhAdk

——————————————————-

【今週のNewsピックアップ】
アベノミクスの終わり 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12076971799.html
アベノミクスの終わり 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12077311005.html

安倍総理が13年5月に国会答弁で「デフレとは貨幣現象です」と発言した頃から、わたくしはしつこく、

「デフレは貨幣現象ではない。総需要の不足である」

と、繰り返してきました。読者の皆様の中には、

「何を細かいことを・・・」

と、思われた方も少なくないでしょうが、この「定義の違い」は決定的に重要なのです。

わたくしは未だに「デフレは貨幣現象」の「貨幣」の定義を聞いたことがありません。マネタリーベースなのですか? マネーストックなのですか? それとも、モノやサービスの購入に使われたマネーなのですか?

「モノやサービスの購入に使われたマネー」が「貨幣」の定義ならば、要するに総需要が不足する現象ということになりますので、わたくしと言っていることが「同じ」という話になります。

ところが、「デフレは貨幣現象」と語る人は、誰一人として「貨幣」の定義を明らかにしません。

いや、厳密には一人、わたくしの前で「貨幣」の定義を明言した方がいらっしゃいます。岩田規久男教授、つまりは現在の日銀副総裁その人です。
岩田教授(当時)は、ある会合でわたくしに「貨幣の定義はマネタリーベースです」と、断言したのです。

わたくしは聞き違えたのかと思い、
「マネタリーベースですか? マネーストックではなく」
と、確認したのですが、岩田教授は「マネタリーベースです」と断言しました。つまり、岩田教授は「マネタリーベースを増やせば、デフレから脱却できる」と明言したのです。

マネタリーベースが「デフレは貨幣現象」の「貨幣」の定義ということは、全ては「日銀の問題」という話になります。実際、第二次安倍政権が発足し、黒田日銀がスタートして以降、日本銀行は岩田教授の提言のままに、マネタリーベースを恐るべき勢いで増やしていきました。

2013年4月のマネタリーベースの額は、およそ150兆円でした。それが直近の15年8月には、327兆円にまで膨張しています。二年強で、日本銀行は180兆円近くもマネタリーベースを増やしたのです。

結果、インフレ率(コアCPI)は? マイナス0.1%でした。
「デフレは貨幣現象」ではなかったのですか? GDPの三割以上もの日本円を新たに発行したにも関わらず、デフレ脱却できないのはなぜですか?

答えは、簡単です。インフレ率の定義が「モノやサービスの価格の変動」を意味しているためです。日本銀行がどれだけ莫大な日本円を「日銀当座預金」に積み上げても、モノやサービスが買われなければ、インフレ率は上がりません。日銀がおカネを発行する際に買い取っているのは、国債であり、モノでもサービスでもありません。そして、モノやサービスの購入、すなわち消費と投資の合計こそが「総需要」なのです。デフレとは、総需要の不足という現象です(しつこいですが)。

「日銀の日本円発行」と「総需要の創出」の間を、岩田教授らは「期待インフレ率」や「コミットメント」という定性的な論理で埋めようとしました。

結果は、どうでした?

「政府が消費税を増税したせいで、デフレ脱却が遠のいたのだ」
はい、その通りです。

ということは、デフレは「総需要の不足」という話ですね。何しろ、消費税増税は「総需要縮小策」という財政の政策であり、金融引き締めではないのです。

日本銀行が金融緩和を継続し、マネタリーベースを約180兆円も拡大したにも関わらず、政府が消費税増税や介護報酬削減などの緊縮財政という「負の財政政策」を実施した結果、我が国はデフレ脱却できませんでした。

問題は金融政策ではなく、財政政策なのです。

安倍政権が「財政の【十分な】拡大」という総需要拡大策に転じない限り、我が国が今年度、再デフレ化することは確定したと思います。アベノミクスは、終わりました。

**** メルマガ発行者よりおすすめ ****

●マスコミが語ることができない亡国への道

<無料>経済解説
「なぜ地方議員は党執行部に逆らえないのか?」
https://youtu.be/8GGn_ZgqiCA