【三橋貴明】インフレ率、再びマイナスへ

From 三橋貴明@ブログ

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かつて日本は「一億総中流」などと言われ、比較的、経済格差の少ない国だとされていた。その「一億総中流」の経済力によって、大きな経済成長を遂げてきた国だった。

しかし、それも「今は昔」。デフレが深刻化するとともに、経済格差の拡大が問題視されるようになっている。

三橋貴明はその原因を政府が「デフレを甘く見ていること」と「実質賃金を軽視していること」と指摘する。特に「実質賃金」は重要なキーワードであるという。

実質賃金とは物価変動の影響を除いた賃金のことだが、要するにモノやサービスを「買う力」を表している。

この実質賃金が、日本では1997年をピークに下がり続けているという。株価が上昇していたアベノミクス初期ですら、実質賃金(=買う力)は下がり続けていたのだ。

なぜ、日本国民の「買う力」は低下し続けているのか。また、この事実はデフレや格差拡大とどのように関係しているのか。

三橋貴明が、デフレの正体やその脱出法とともに詳しく解説する。

『月刊三橋』最新号
「日本経済格差拡大のカラクリ–実質賃金の軽視が招いた大災害」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php

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「インフレ率、再びマイナスへ」
From 三橋貴明@ブログ

総務省が3月の消費者物価指数を発表したのですが、日銀のインフレ目標の指標であるコアCPI(生鮮食品を除く総合)が▲0.3%と、五カ月ぶりのマイナスに戻ってしまいました。

『3月消費者物価指数 5か月ぶりに下落
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160428/k10010501641000.html
総務省によりますと、先月の全国の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いた平成22年を100とした指数で102.7となり、前の年の同じ月を0.3%下回りました。消費者物価指数がマイナスとなるのは5か月ぶりです。』

 細かい数字を挙げておくと、

・CPI(総合消費者物価指数) ▲0.1%(2月は0.3%)
・コアCPI(生鮮食品を除く総合) ▲0.3%(2月は0%)
・コアコアCPI(食料<酒類除く>エネルギーを除く総合) 0.7%(2月は0.8%)

 でございました。
 コアCPIを引き下げたのは、エネルギー、家庭用耐久財、教養娯楽耐久財、宿泊料、外国パック旅行などでした。
 2015年度(2016年3月まで)の結果も、合わせて公表されました。

・CPI 0.2%
・コアCPI 0%
・コアコアCPI 0.7%
 
 と、2015年度を通じても、インフレ率(日銀定義)は「ゼロ」という結果になりました。コミットメント、インフレ目標、量的緩和で「2年で2%のインフレを達成する」と大見えを切っておきながら、ほぼ三年が経過して、インフレ率は▲0.3%。
 
 これが、現実です。
 
 2015年3月のコアCPIが▲0.3%に下がったことを受け、日本銀行は追加緩和の圧力を受けることになります。本日、金融政策決定会合の結果が発表されますが、個人的には日銀にはどうにもならないと考えています。

 何しろ、日本銀行は1月29日に当座預金の一部にマイナス金利(▲0.1%)をかける荒業に出たにも関わらず、3月のコアCPIが▲0.3%だったわけです。

 結局のところ、金融政策「のみ」で物価を引き上げるなどという「期待」に依存した手法は、少なくとも我が国のように長期デフレが継続している国では結果を出せないのです。

 当然ながら、政府の財政出動により、直接的に「モノやサービス」を購入するしかありません。
 本日の、金融政策決定会合で、果たして「追加緩和」が決定されるのでしょうか。金融市場は、それを「期待」しているようですが、具体的に何をするのでしょう。
 量的緩和の拡大は、銀行の国債が尽きる日を早めてしまうため、できないと思います。無論、政府が国債を増発すれば別ですが、何しろ熊本大分地震の復興すら、
「国債金利が低下したので、浮いたおカネを回す」
 と、舐めたことを言っているのです。国債増発は、今のところ望み薄です。

 そうなると、マイナス金利政策の幅(範囲)や深さ(利幅)を拡大するのでしょうか。銀行がますますピンチに追い込まれるだけで、民間の資金需要が不足している以上、貸し出しや消費、投資は増えないでしょう。

 しかも、2月のマイナス金利政策ではインフレ率をプラス化できなかったという「結果」があるわけです。
 ということは、日銀は他に何をやればいいのでしょう。ETFやリートの買取を増やす? 地方債を買い取る?
 別に、地方債を買い取ることに反対はしませんが、いずれにせよ金融政策のみでは日本をデフレから脱却させることはできないという現実を突きつけられるだけだと思います。
 結局、日本政府が「財政拡大」に大きく舵を切らない限り、我が国はデフレから脱却できず、国民の貧困化は続き、日本銀行や銀行が追いつめられていくだけです。

 長期デフレ下で緊縮財政を強行しつつ、「金融政策」のみでデフレ脱却を図るとどうなるか。
 我が国の「社会実験」が、いよいよ最終局面に入りつつあります。

ーーー発行者よりーーー

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かつて日本は「一億総中流」などと言われ、比較的、経済格差の少ない国だとされていた。その「一億総中流」の経済力によって、大きな経済成長を遂げてきた国だった。

しかし、それも「今は昔」。デフレが深刻化するとともに、経済格差の拡大が問題視されるようになっている。

三橋貴明はその原因を政府が「デフレを甘く見ていること」と「実質賃金を軽視していること」と指摘する。特に「実質賃金」は重要なキーワードであるという。

実質賃金とは物価変動の影響を除いた賃金のことだが、要するにモノやサービスを「買う力」を表している。

この実質賃金が、日本では1997年をピークに下がり続けているという。株価が上昇していたアベノミクス初期ですら、実質賃金(=買う力)は下がり続けていたのだ。

なぜ、日本国民の「買う力」は低下し続けているのか。また、この事実はデフレや格差拡大とどのように関係しているのか。

三橋貴明が、デフレの正体やその脱出法とともに詳しく解説する。

『月刊三橋』最新号
「日本経済格差拡大のカラクリ–実質賃金の軽視が招いた大災害」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php