【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第廿九話


From 平松禎史(アニメーター/演出家)

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今週は『ユーリ!!! on ICE』の最終話が放送されまして、
ようやくホッと一息ついているところです。

最終話は制作スタジオのテレビで社内スタッフの
大半が集まって酒盛りをしながら観ました。

短いようで長かったあっという間の3ヶ月…
という錯乱したような感慨が一気に押し寄せて
酔っ払った帰りの記憶はさだかでなく、
朝帰って起きた時にはもう夕方でした。

爆睡ってやつでございます。

これから年越しまでは比較的のんびりとすごせることでしょう。

今回は今年最後の「つぶやき」です。
2016年は日本だけでなく世界各国の
政治経済状況が大きく揺れ動いた年でした。

ポケモンGOの問題が話題になってしばらくした頃、
ボクはエンジンの仕組みになぞらえて
「2サイクルな社会現象」としてこの問題を考えました。

この問題とは、特定のゲームのことではなく、
人々の判断が「空気」や「期待」に流されて
膨張し弊害を生み出す現象のことです。

第廿九話:「誤りを認める難しさ」

 ◯Aパート

前回とりあげた高島俊男著『お言葉ですが…』
(文春文庫)についてもう少し書くことにします。

この連載のタイトルについて文庫版(引用は第十巻)
のあとがきでこう説明しています。

『「言葉についての話です」という意味と、
「お言葉ですが貴下の見解には愚生は同意できませんな」
という意味である。であるから、言葉についての話を
柱として、それに何らかの異議申し立て、さらに、
その時々にわたしが興味をおぼえたことを方面にかかわらず書いた。』

そして、とりわけ感服したのが以下の姿勢です。
同あとがきより。
『これに、本にする時に各項目最後に「あとからひとことーー」
をつけ加えてある。これは文章を「週刊文春」に書くと
読者の皆様方がお手紙をくださる。それらのうち、
質が高く、こちらの知識の不備を補ってくれたもの、
まちがいを指摘してくれたものなどを、多くは
お手紙のままに収載させていただいたものである。
これはもともと、週刊誌発表後読者からまちがいの
指摘のお手紙をいただいて、それにしたがって本文を
修正して本にするのはずるい、と思ったので、本文は
そのままにしておき、「あとからひとことーー」で訂正する、
という形にしたのであった。』

見習いたい姿勢ですよね。

”誤りを指摘されても直さない。”
”とっくに間違いが明らかになった見解を訂正せず強弁し続ける。”
”目立たないはじっこに小さく訂正記事を載せる。”
”こっそり記事(発言)を削除して誤りを認めもしない。”

朝日毎日東京読売産経日経など新聞社、我こそ正論
あるいは保守と自称する学者や評論家、ネットで声高な
セロン代表などなどに見習っていただきたいものです。

高島さんは文体やお写真から察するに頑固一徹なお方と想像します。
新聞社のみならず岩波や三省堂など「権威」となっている
出版社の立派な辞書にも遠慮なくツッコミを入れているし、
文章を載せている文藝春秋社にも手加減しない。

専門は中国文学ですが、東洋史の岡田英弘さんに少し似てる感じがします。

全般に気軽なエッセイですが、専門の中国文学や漢
語由来の日本語、幼少のころ体験した戦争については
ペンから煙が出てるかと思うほど熱い文章があります。

 ◯中CM

文学表現のように受け取り方が様々になるものと違って、
政治経済の考え方、政策は明らかな結果として出てしまいます。

消費税の増税は首相周辺の学者が「大丈夫」といった
にも関わらず、景気が低迷して大丈夫じゃなかったことが
明らかになり、誤りが国民にも周知されました。

金融政策に偏重した経済政策はデフレ時には
効果に限界があることが明らかになりました。

構造改革・規制緩和は明確になるのに少し時間が
かかるものと思われますが、これもデフレ時には
良い結果を出さないことが明らかになりつつありますし、
目に見える経済のみならず文化に
弊害をもたらすことが懸念されています。

日韓合意は「日本が『性奴隷』を認めた」との
言説が世界中に流布され、先の日ロ首脳会談では
ロシア側の「領土問題はない」という主張に則った
経済協力で日本が北方四島を諦めたかの言説が
公式として流布される懸念があります。

TPPでは日本が貿易協定において
最悪の基準を提示する結果になりました。

成果を過剰に期待し急いだ結果、警告が耳に
入らなくなって弊害を最大化してしまう現象の結果です。

物事には「功・罪」の両面が必ずあります。
利点があれば弊害もあります。

人はどうしても「功」や「利」を期待しますから
「罪」や「害」(立場によっては逆のこと)を軽視しがちで、
期待(反発)が急速に高まる状況によって
「罪」「害」が軽視どころか無視される傾向があります。

「2サイクルな社会現象」とは、小型軽量で使い勝手が
よく立ち上がりが早い利点の反対側に、燃焼と排気を
ゴッチャした構造が有毒な排ガスという弊害を
出してしまう2サイクルエンジンになぞらえたものでした。

利点が弊害を覆い隠してしまう構造を持っているところなど
社会現象とよく似ていると考えられたからです。

 ◯Bパート

誤りを認めることは難しいことです。
専門分野でないことなら「おっと間違えた。ごめんごめん。」と
気軽に認めることができますが、専門分野となれば政治家なら
「政治生命」に、学者なら「学者生命」に、ジャーナリストなら
「ジャーナリスト生命」にと、命にかかわる問題となります。

行動が誤りだったと結果が出てしまった時、
誤りを指摘された時、屁理屈をこねてやり過ごそうとしがちです。

批判しやすい野党や「反日勢力」に矛先を向けがちです。
しかし、そんなことで状況が良くなるわけはなく、
さらに悪化させることになります。

政治家や学者、ジャーナリストなど国民の命に関わる
「プロ」のみなさんは、責任を自覚しているのなら
誤りは認めて、改善するための修正を行ってほしいものです。

誰だって誤ります。

一度や二度くらい誤ったからってすぐに
「辞めろ」とか「腹を切れ」とか言いやしません。

でも
同じような誤りを何度も繰り返し、誤りが明らかなのに
認めずに屁理屈をこね、他人のせいにし、ごまかそうと
するような人(特に公人)には、万死が適当と思わざるを得ません。

他人の誤りは目につきますが、実際には自分が一番誤ると意識する必要があるでしょう。

 ◯エンディング

今年最後の投稿なのになんだか
物騒な調子になってしまいましたね。

でも、はっきり言わねばならないのだと思います。
自分が期待して一票入れた政治家だから、政党だからと、
甘い顔をしていてはちっとも改善できません。

特定の政治家、特定の政党には期待しません。
国民が変わらなければ国政は良くならないのです。
政治家を選ぶのは国民だから。

政治家や政党が目的を達する道具だとすれば、
それを選ぶための思考の方がずっと重要だと思うのです。
道具を手にしてしまってから、なぜ選んだのか考え直すのは困難です。
手にした道具は愛しく見えてしまうものですから。

ここは一度、捨てましょう。
そこから考え直しましょう。

でなければ、またしても、今年が来年より良い年になってしまいます。

 ◯後CM

『ユーリ!!! on ICE』でキャラクターデザイン・総作画監督を担当しました。
公式サイト
http://yurionice.com/

無料インターネットテレビAbemaTV(アベマティーヴィー)にて12月31日19時より全話一挙放送。
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1482392512

コミックマーケット91にて、はじめての画集が先行発売されます。
『平松禎史 アニメーション画集』
http://animestyle.jp/news/2016/12/19/10849/

ボクのブログです。
次回作、画集などの情報も適時お知らせいたします。
http://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/

↓↓発行者より↓↓

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【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第廿九話” への2件のコメント

  1. >修正を行ってほしいものです。

     エントリーから外れた話で恐縮なのですが失礼します。

     常々思ってることがあるのですが、現代の大変上手い作画でも修正はあるのだろうとは思います。

    昭和50年代のアニメーションより現在(昭和57年を境に観るのは極小ですが)の作画力が高いのはやはり(専門性が高くなった)人材のお蔭なのでしょうか。

     昔は時間も無い状況もあったからなのかなと思うのですが、今の作品にも鉛筆の線を何重にも描いたまんまの荒っぽい線の作画も欲しいものです。

     つい頭にこびりついていた疑問と希望を書いてしまいました。
    修正と言えば、民間議員によるトップダウンは修正、廃案してもらいたい今日この頃です。

    失礼しました。

  2. 震え ♪

    政治家にも 官僚にも フルエなど
    微塵も 感じられませんね。。。

    >誤りを認めることは難しいことです。

    だらか 訴訟制度が あるのでせう

    ぼくの 従事する業種が その過失により
    毎年何万人もの クライアントを
    死亡させたり 自死に追いやったり
    生活レベルを低下させると
    ぼくらは どうなるか、、
    推して 知るべし

    しかるに 政府 文官は 如何に??

    あの
    ザマなのだ ♪

     

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