【三橋貴明】お金とインフレに関する社会的な誤解


From 三橋貴明@ブログ

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 昨日のコメント欄を見ると、やはり「銀行のお金の発行」について、
理解していない方がほとんどのように見受けられました。

 銀行が現金を貸し出す場合は、BS上で「現金」という資産が
「貸付金」に変わります。つまりは「貸し出すためのお金」が必要なのです。

 ところが、現実の世界において、銀行は(あり得ませんが)
「貸し出すためのお金」がゼロだったとしても、貸し出しが可能です。
単に、借り手の銀行預金の口座に貸出金を記帳するだけです。

 その時点で、昨日も書いた通り、銀行のBS(バランスシート)の
借方に「貸付金○○円」が、貸方に「銀行預金○○円」が「出現」します。
同時に、借り手のBSの借方に「銀行預金○○円」が、
貸方に「借入金○○円」が「出現」するのですが、
「銀行は○○を貸し出す」
 という固定観念に縛られている人がほとんどでしょうから、
なかなか理解できないと思います。

 というわけで、ブログで細かく取り上げるのは本日までとし、
今後は「三橋経済塾 」「月刊三橋 」あるいは著作などで図と
映像を使って解説していきたいと思います。「三橋経済塾 」は
第一回の集中講義(恐らく第二回も)の際に取り上げ、
「月刊三橋 」では一年通じた特別カリキュラムを組む予定です。
(著作は、今のところ未定) 

 ミクロな「お金」について完璧に理解して初めて、
マクロな「経済」が分かってきます。

 さて、インフレ率です。

 本日発表された総務省発表の統計によると、
2016年11月のインフレ率は、

●総合 0.5%
●コアCPI ▲0.4%
●コアコアCPI 0.1%
 という結果に終わりました。

 コアコアCPIは、10月が0.2%だったので、
「もしかして、回復し始めた!?」と思わせたのですが、
また上昇幅が縮小です。

 日本のインフレ率の指標のコアCPIは、相変わらず
マイナスの海に沈んでいます(コアCPIは10月も▲0.4%)

【日本のマネタリーベース(左軸)とインフレ率(右軸)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#MBCPI1611

 マネタリーベースの方は、11月の平均残高が417.7兆円。
2013年3月と比較し、約283兆円の増加です。
もちろん、増加分のほとんどは日銀当座預金です。

 上記の「お金に関する誤解」が解けない場合、
「インフレに関する誤解」が発生します。すなわち、
あたかも「お金の量」が静的に一定であり、
「お金の量」を増やせばインフレになるという誤解です。

 それはまあ、この世に現金というお金しかなく、預貯金
(タンス預金含む)は禁止というルールがあれば、お金の
量を増やせばインフレになるでしょう。とはいえ、現実の
世界において、社会で使用されているお金の大半は預金です。
ここでいう預金には「日銀当座預金」を含みません。
理由は、我々が日銀に当座預金を持っていないためです。

 銀行は、単に「貸し出し」を行うだけで、
MS(銀行預金)を拡大できます。そして、
貸し出しは、我々に資金需要がない限り伸びません。

 さらに、貸し出しが行われたとしても、土地や金融商品
(株式、為替、先物など)が買われてしまうと、インフレ率は
上昇しません。インフレ率とは、モノやサービスの価格の
ことであり、土地や金融商品はモノでもサービスでもないためです。

 要するに、我々が生産者として生産した「付加価値」が買われ、
初めてインフレ率が上昇するのです。

 というわけで、政府がインフレ率を引き上げたいのであれば、

(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
 という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。

 ところが、安倍政権は相変わらず財務省の呪縛から
逃れられておらず、国債発行を「抑制」しようとしています。
「お金」「インフレ」に関する社会的な誤解を解かなければ、
我が国がデフレから脱却する日は、遠のくばかりです。

—発行者より—

【オススメ】

★★★★★:市川道教のレビュー

今年3月、日銀がマイナス金利など、素人には意味が
全くわからないので少し勉強してみようかなと、
軽い気持ちで、月刊三橋に入会しました。

それまで、政治や経済はあまり自分とは関係ない、
というか、考えても、実質的に自分の力が
及ぶことはないので、真剣に考えてなかった。

しかし、実体経済の原理から、GDP、所得などを
コンテンツで勉強したおかげで、英、独、米での
大きな動きがあった、2016を冷静な目で見ていられた。

大袈裟かも知れませんが、人生で一番、
勉強した1年だったように思います。

また、財政破綻の嘘の話を、友人たちに話すと、
その反応がいろいろで面白かった。

でも、まあ、友人たちの半分は、それでも、
財政が〜〜、と言い続けてます。

さて、今月というか、今年のまとめは、
CSIS元研究員の某議員のような、あるいは、
パソナ役員の某氏のような、日本の貧困を利用して、
人気取りや利益を得ようとする輩との闘いが
マジで始まったと覚悟することですね。

来年も期待しています、よろしくお願いします。

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【三橋貴明】お金とインフレに関する社会的な誤解” への5件のコメント

  1. 三橋先生のご活躍をいつも熱く応援しております。

    カネという完全じゃない制度は目減りするのが本質(債務不履行等?)と理解していないのが自分のような単なる労働者ならよいですが、銀行員だと深刻なのかな?と。
    だから担保主義(=額面)ということなのでしょうか。
    金属主義という誤認のせいでしょうか。

    来年は不完全な単位でなく、経済そのものの息吹を皆が感じとる一年であってほしいと、お祈りいたします。

  2. 借金が〜の皆さん
    もし日本の手形(円)が信用ないんやったら、最後に持った人間がババ引くのに何でためこむの? もし手形に信用なかったら手形の量減らしたところで何の解決にもならんで。余計に信用無くなるだけや。手形の信用は裏付け。

    金融政策万能論者の皆さん
    裏付けのない手形刷って何で流通すんの?
    鼻くそほどの実質金利を穿くり民間投資の裏付けの手形が回らん事が証明されたんやったら建設国債の裏付けで手形出したらええんちゃうの。

    MB増やして裏付けの建設国債出さんかったら詐欺やで。為替操作国と言われても反論できへん。まあ、世界中の国家、資本家がこの詐欺行為の蜜の味から抜け出してないけど…….。

    ミルトンフリードマン。こいつは労働側からすれば歴史上最高傑作の詐欺師であり、権力者からすれば市場最高傑作の支配論理を生み出した功労者やろな。分配が前提…..はいはい、ならばマルクスも成立しますな。 

  3. 私達が1000万借りて、100万しか銀行に返さなくて踏み倒しても
    もともと銀行の帳簿の運営管理費と紙幣の発行費用しかかかっていないwだからジャンジャン金借りて踏み倒せよ、踏み倒させろw銀の額面1万円の記念銀貨が偽造されたってよ。それをいくらで創ったの?その銀でもない紙の1万円を創るのに一体いくらかかったのさね?どうせ恐慌になったら金刷れば解決だ。ほうら、リーマンショックの時もそうだった。律儀に金を返す方が阿保まるだし、貸し手責任を重くしろw銀行は日銀にお金を刷ってもらえるから、貯金が引き出せなくなる事はない。金を刷る事で起こる問題はインフレだ、だから生産性を向上させるのだ。この20年間、構造改革と喚き散らす経済学者とやらは何をやっていた?その生産性は上がったか?むしろ一人当たりが下がってる。お前らの正体はデフレ推進学者だ。経済学という名そのものがペテンだ。政府か銀行かは関係ないジャンジャン金刷って、生産物を買わせ所得を上げろ、所得が上がればまた金刷れる。生産物の中には資産もある、それも市場原理で上がるから、それを担保に更に金借りろwインフレになったら金融を引き締めるなw政府が景気連動の国債償却税で課税してインフレで余ったお金を吸い上げろw政府版公定歩合の復活だ。どんどん吸い上げて政府はもう国債発行額0どころか貯金してしまえwなあにお金はどんどん無から刷られるから大丈夫。いくら刷ってもキリがないwそれよりも大事なのは生産性の向上だ。

  4. そうですね。

    我々の「力」の合計を「国力」と定義するとすると、
    その「力」とは、例えば重い物を持ち上げる能力とか、速く移動する能力とか、的に正確に玉を当てる能力とかを言うのだと思います。

    そういうことを無視しておいてただ 為替ガー 株価ガー 金利ガー と言い募るのは、「金という魔物に食われているゾンビ」と思えてなりません。
    もしくは、株式市場という鉄火場に足を入れて喜ぶギャンブル中毒者と言ったところでしょうか。
    酒は飲んでも飲まれるなと言いますが、金は食っても食われるなという感じでしょうか。

    それにしても民主的に考えた時、疑問が残ります。
    仕事をしたら金を貰えるのがまあ自然な流れだとしましょう。
    しかしその金の源は、政府からの国債なのです。
    つまり、回り回って国から金を貰っている、と。
    日本政府が嫌いなサヨクの皆さんにおいては、この事実をどう受け止めるつもりなのでしょうか。

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