日本経済

2017年2月6日

【三橋貴明】日本はすでに財政健全化を達成している

From 三橋貴明

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 【今週のNewsピックアップ】
プライマリーバランス目標の破棄を!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12244147761.html
続 浜田宏一教授のインタビュー
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12244489362.html

安倍政権は、未だに「2020年に基礎的財政収支
(プライマリーバランス、以下PB)を黒字化する」
という目標を破棄していません。

そもそも、PBとは何か、政府の歳入(税収・税外収入)と、
国債関連費用を除いた歳出を比較し、収支を見たものです。
PBが均衡しているとは、政府が、
「(国債関連費用以外は)支出を全て税金で全て賄っており、
 新たな負債は増えていない」
という意味になるわけです。
すなわち、PBの黒字化とは、政府は「新規国債を発行するな」
という話でもあります。あるいは、政府の負債を「減らせ」でも構いません。

上記は実におかしな、というか「狂った」話で、何しろ、
経済成長する限り、政府の負債とは増えるものなのです。

そもそも、財政健全化の定義は、政府の負債が減ることでは
ありません。政府の負債対GDP比率が減少することです。

政府の負債対GDP比率は、「名目GDPの成長率」
「国債金利」「PB」と、三つの要因で決まります。
PBが赤字だろうとも、名目GDPが十分に成長する
ならば、政府の負債対GDP比率は下がります。

それ以前の話として、「政府の負債」について、返済も
利払いも不要な「日本銀行が保有する国債、財投債、
国庫短期証券」までもが含まれているわけですから、
異常極まりないのです。

日本銀行は日本政府の子会社であるため、日銀保有分の
国債等は連結決算で相殺です。それにも関わらうず、
日銀保有の国債等を「政府の負債」に入れるとは、
「返済も利払いも不要な債権を、負債総額に積み上げ、
 全体を大きく見せている」
という話になります。(大きく見せたいのでしょうが)

というわけで、中央政府の負債総額から、日銀保有の
国債・財投債・国庫短期証券を省いた「政府の実質負債」
をGDPと比較したグラフを作成しました。

【政府の負債対GDP比率、実質負債対GDP比率の推移】
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-12244489362-13860698943.html

すでに、日本は「財政健全化」を達成した状況にあります。
もちろん、PBの黒字化ではなく、日銀の量的緩和政策の影響です。

日本政府はナンセンスなPB目標を破棄すると同時に、
「政府の負債」の定義を「政府の実質負債」に変更するべきです。

その瞬間に「財政健全化達成」となり、我が国の
デフレ脱却に向けた財政拡大の障害が消滅します。

日本はすでに、財政健全化を達成しているのです。

—発行者より—

【オススメ】

★★★★★:眞鍋千之様のレビュー
「今月号に限らず、大学時代に習いたかったことばかり…」

54年前に経済を勉強しに大学に入って、
手応えのある講義はただの一度もなかった。

ケインズの経済学を基にして研究する現実から
離れた理論上の学問でしかなかったのだ・・・。
ただの自己満足の論理的趣味の世界でしかなかったのだ・・・。

月刊三橋で経済は経世済民だと知ったのだ。
そりゃそうだろう、経済学のための経済で
あるはずがないのだ。学生時代に聞きたかったが、
まだ生きている中に知ったのだから幸せ者だ。

世の中、世界の見方が完全に変わった。

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【三橋貴明】日本はすでに財政健全化を達成しているへの3件のコメント

  1. メイ より

     こちらのエントリーと少しズレてしまうかもしれませんが・・。  経済の話題で時々登場するのが、「財務省」ですが、どちらかというとヒール的な感じでしょうか。 実際を知らないのですが、何人もの方が問題点を指摘されるのですから、その通りなのかもしれません。 でも、何となく省庁の方々が可哀想に感じるのは、政治家に彼らを守ってくれる強さが無い中で、どこまで自国民のための仕事ができるのだろう?という所です。 政治の近くにいると恐らく、一般国民以上に、自国の立場の弱さを痛感させられ、外国に従わなければどうしようもないのか・・みたいな気分になってしまったり、もしかすると外国留学などで、そのように教育されるという事もあるのでは、等と想像してしまうのですが・・。 特に今は、特定秘密保護法で官僚の口を塞いでもいるのでは?等と、少し疑ってしまいまして・・。 より大きい責任があるのは、やはり政治家なのではないだろうか? 官僚の皆さんが、少しでも安心して自国の為の仕事ができるように、守れるのは政治家ではないのでしょうか。 それが難しいとしたら、「政治主導」が良い事とされている昨今、官僚にばかり多くを望んで良いのかどうか、悩みます。 時に、使命感を持っておられる一部の官僚の方が、国民の事を想って、ご意見を発して下さる事もあり、国民が官僚組織そのものに対しポジティブなイメージを持つという事があるような気がします。 ご意見を述べて下さる方に、深く、感謝を感じると共に、自由な意見の発信・相互作用が活発にされるようになると良いように思います。 

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  2. 學天則 より

    無知を知り正義を追求する人と人とは対話可能です。ですが神に対話は不要です。答えをもっておる現人神になった人々相手に対話は不可能なのですな。別名、神ではないのでは獣と言いますが、この獣は私は無知ではなく知っているという嘘を前提に喚きます。最近、ニュースで将来、官僚になりたいとドヤ顔で言っている進学校の生徒を見ましたが、役人とはすなわち王権であり、将来、勉強して恥ずかしげもなく、目を輝かせて俺は王様になりたいなどと言う輩が民主制の今時いれば頭がおかしいと思うでしょう、彼らはそう言う事なのです、まともではない。皆が見るニュースで既に悪魔の手に墜ちた少年が嘘をつく、この答えを知る悪魔を封印する叡智のアミュレットが憲法でありますが、悪魔と契約し、饗宴を開く、無知を知らない国民自身がその少年を褒めたたえアミュレットを破壊するのです。憲法の三大原理は別におかしくはないのです、だってどの様な組織でも普遍的に組織構成員を大切にして、組織構成員が主体的に組織経営に参加して、組織構成員が喧嘩早くないのが当たり前だからです。知らない癖に知ってるふりをする悪魔は怖いですね。どこで悪魔と契約して洞窟の影の嘘という答えを刷り込まれたのでしょうか。そう、皆、お金について私は知っているという答えを刷り込んだのは如何なるものか?きっと悪魔とその契約者でありましょう。鉄壁の城壁を持つ1000年帝国ビザンティンが亡ぶとき、内なる者が城門の鍵を開けたと言う俗説もあり、サラディーンさえも屈した、かのクラック・デ・シュヴァリエは敵の偽書たる嘘によってあっさり陥落したともいわれます。真理を守り、供に祈を捧げる、教会、孤児と寡婦、貧しい人々全てを守護せんと神に誓った屈強な十字軍の精鋭とて答えを刷り込む悪魔の前ではこの始末であります。かくいう私も監視者であってヘルモン山のグリゴリでしょうか、それともその正体はウリエルでしょうか?最悪のアザゼルかもしれません。大洪水の滅びが近づくからこそ危機を叫ぶ賢者も出てくるのでありましょう。賢者の言う事は誰も耳を貸さない、コロンブスを嘲った貴族が如く、卵を立てる方法はおそらく簡単だからです。知らないと言う事を知る事は簡単そうだから、皆知っていると思って嘲っている。だが、神について知る者などこの世にいるのでありましょうか?祈らない者は無知を永遠に知る事はない。だから神でない人は今でも宗教を重んじるのでしょう。京の東寺には今も立体曼荼羅が仏の世界を伝えている、それは神楽が舞で伝える物と同じでしょう。だから聖徳太子は十七条憲法で神仏に逆らい悪魔に媚へつらう者は国を滅ばす剣となると警告したのでしょう。敷島の大和の国がはじまったのは1000年以上も前、150年前の維新ではございません。夢を抱いても何事も時間がかかると言う事ですな。150年前に原点を求める方々は急ぎ過ぎではないか?まずはこのような目に見えない心の腐敗をどうするか?先人は皆、そこを大事にしてきた、答えよりもね。武蔵野のべにとどめおかれた大和心は今いずこ?さて、寒い世(夜)は、遥か昔に思いを馳せて、悠久の時を感じるはちみつ酒でものんでハニームーン気分で来るべき新時代をゆるり眺めましょうぞ。

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  3. 赤城 より

    上記は実におかしな、というか「狂った」話で、何しろ、経済成長する限り、政府の負債とは増えるものなのです。そもそも、財政健全化の定義は、政府の負債が減ることではありません。政府の負債対GDP比率が減少することです。おそらくほとんどの国民が知らずに騙されているこの核心的な事実をデータと共に分かり易く広められれば財務省の洗脳は解けそうなものです。それを隠そうとして反対のデマ宣伝をしまくるので難しいのでしょうが。政府の負債とは増えるものという事実は衝撃的です。日本以外の多くの国のデータを比較すれば良くわかるでしょうし停滞する日本の異常さも浮かび上がります。

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