【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第丗話

From 平松禎史(アニメーター/演出家)

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◯オープニング

平成二十九年、2017年最初の投稿です。

去年、特に後半はTVアニメーション
『ユーリ!!! on ICE』に明け暮れて、
世の中のこともあまりチェクできない状況でした。

おかげさまで『ユーリ!!!』は大ヒットとなりまして、
放送中から激増したイラストなどの発注が、
放送終了した現在も続いています。

『ユーリ!!!』のイラストを表紙にした
雑誌は軒並みランキング上位に入っています。

『ユーリ!!!』人気のおかげで、ボクのイラストを
集めた『平松禎史 アニメーション画集』はコミック
マーケット91での先行発売で完売。一般販売予約開始後、
一時的にではありますがAmazonで
「総合3位」になっていました。

すべての書籍で3位ですから大したものです。(版元の編集長談)
*発売は2月27日からです

『ユーリ!!!』1、2話を収めたBD/DVD1巻は
8万本売れたそうで、これはアニメソフトでは
ものすごく売れている部類になります。

作品関連のグッズもよく売れているようで、
ありがたいことです。

第丗話:「やればできる!…『ユーリ!!! on ICE』が証明した需要の存在」

 ◯Aパート

『ユーリ!!! on ICE』はフィギュア
スケートに青春をかける若者たちの物語です。

フィギュアスケートは荒川静香選手や浅田真央選手、
高橋大輔選手や羽生結弦選手の活躍でファンが
増えていて積み重ねがありましたから、初めて
フィギュアスケートを題材にしたTVアニメーションが
それなりのヒットになる予感はありました。

しかし
前述のような大ヒット、ツイッターで話題になって
いることばのランキングで上位を占めたり、海外の
プロスケーターが『ユーリ!!!』ファンであることを
ツイートしてコスプレまでするような事態は想像できませんでした。

作品では、タイやカザフスタンのような国々の
スケーターが「英雄になる!」と語っていますが、
現実のプロスケーターが「日本で英雄になったよ」
と話題にしてくれていたのが嬉しかった。

放送開始前は、日本のアニメファンよりも、
海外のアニメファンやフィギュアファンの
反応が早かったのも印象的でした。

これだけ注目を浴びたアニメ作品は(個人的には)
『エヴァンゲリオン』シリーズ以来です。

 ◯中CM

今回のメルマガでは、アニメ雑誌やアニメに特化した
場ではやや話しにくい経済との関連を書いています。

『ユーリ!!!』をやりながらボク自身が勇気づけられたのは、
勝生勇利という主人公が、絶望に瀕して自信を失い、
引退を考えたところから物語が始まっていることです。

惨敗した大会を終えて故郷に帰った彼は、地元出身の
スターに見られることが恐ろしくて、人の目を避けます。

もう成長できない。
消えてしまいたい。
…と思ったことでしょう。

それでも、このまま消えてしまいたくない意思
「大好きなフィギュアスケートを続けたい」
気持ちがあって、それを見抜く人たちがいた。

あきらめずに続けることで自信が生まれてくる。

「自信がある・ない」と言いますが、
自信なんて元々あるものじゃないんですよね。
そして、自分ひとりで得られるものでもない。

勇利は、失敗しながら、人と接しながら

やればできる!

という実感を少しづつ蓄積していきます。

 ◯Bパート

経済面で考えてみれば、作品作りという投資をしたことで
さまざまな需要が喚起され消費が生まれていく状況を、
身をもって味わったことになります。

作品作りで直接所得を得ている私たちスタッフ
だけでなく、書籍やDVDソフト、関連グッズを
生産している多くの企業も間接的に利益を得ています。

この循環により、様々な関連企業などの総収益が
作品作りに要した予算よりも上がっていくことは、
三橋さんが繰り返し解説してくださる所得創出の
プロセスにあたりますよね。

この経済循環で、もし、いくらか全体的な収益が
上がることがあるとすれば、それは「経済成長」が
実現した、ということなのだと思います。

やればできる!

需要は、長期デフレで潜んでしまっているだけで
「欲しい!」と思える商品はがあれば消費へと動く、
実際に『ユーリ!!!』で消費が促進されました。
需要はあるのです。

『ユーリ!!!』だけでなく、去年は日本映画の当たり年でしたよね。

ただ
消費を促す投資が足りない。
民間企業はそうそう投資にお金をかけられません。
デフレ不況であればなおさらリスクが恐ろしい。

しかし
政府は、赤字を恐れずリスクを飲み込んで支出を
増やし、国民のために投資ができる唯一の存在です。

エンターテイメントのような目に見える華やかさは
ありませんが、国民生活の基盤であるインフラ投資や、
教育、研究開発、設備投資を促す減税など、
政府の投資は所得につながります。

すぐには結果が見えないとしても、民間が手を出せない
必要不可欠なものに政府が取り組むことで民間企業が
前向きに活動できるようになる。

経済成長路線に乗せていけば税収が増えていきます。
財政健全化が実現します。
増税は必要なくなる。
社会保障の心配は減っていきます。
見せかけの赤字などヘッチャラなのです。

削減思考な緊縮財政主義からの脱却がデフレからの
脱却へとつながり、生活の余裕へとつながっていく。
そうした基盤の上に、エンタメのような文化が
乗っかっていく。豊かさを作り出す余裕ができる。
積み重ねが自信を生み出します。

やればできる!

政府に堂々と支出拡大させるよう、
私たち国民が声をあげる必要がある。

 ◯エンディング

「赤字を恐れるな」と政府には言いたいのですが、
アニメ作りは会社の収支はともかくスタッフ単位
では明確な「赤字」を測り難いもの。

しかし
昨今アニメ業界の労働環境が問題になっているので
大きな声で言えませんが、どこの会社のスタッフでも、
長時間労働、徹夜、休みがとれない、十分な食事の
時間もない、所得が労働に見合っていない・・・
そんな環境で作品作りをしているところがあります。

これは一種の「赤字」といえます。

そのような状況を肯定するつもりはまったくありませんが、
この「赤字」を恐れていては作品が作れません。

作品がヒットすれば気持ちの上で「赤字」が
解消されますが、そうでなければ耐え難いものです。
作品のヒットで私たちスタッフの所得が上がり、
余裕を持って仕事ができるようになる循環が必要です。

アニメ業界独自の問題点はあるとしても、
アニメは企業の出資で作られますから経済全体に
余裕がなければ改善の糸口がつかめません。

デフレ状況のままスタッフの労働環境を改善しようと
すれば「改善すべきスタッフの取捨選択」が生じます。
コストカットのため少なくないスタッフが職を失うでしょう。
眠っている才能が切り捨てられてしまう。
それでは本末転倒です。

「クールジャパン戦略」ってすっかり聞かれなく
なりましたけど、文化を豊かにしたいのであれば
デフレ脱却を、国民への投資を最優先して
いただきたいと切に願います。

需要はしっかり存在します。

やればできる!

 ◯後CM

『平松禎史 アニメーション画集』2月27日から一般販売開始。
http://amzn.asia/cJ7NxmE

『ユーリ!!! on ICE』でキャラクターデザイン・総作画監督を担当しました。
公式サイト
http://yurionice.com/

ボクのブログです。
次回作、画集などの情報も適時お知らせいたします。
http://ameblo.jp/tadashi-hiramatz/

—発行者より—

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